【動機を見直す】「気持ちがこもってない」と言われたお守り。本当の願いとは…

「何だか、気持ちがこもってないね」

そんな一言に、胸を抉られるような思いをしたことはありませんか？

良かれと思って、一生懸命やっているのに、なぜか想いが伝わらない。

それどころか、
自分の行動が独りよがりだったと気づかされた時の、あの無力感。

秋色

こんにちは！
あなたの心に寄り添う物語の請負人、秋色です。

この記事は、そんな過去の私と同じように、
見えない壁に苦しんでいるあなたのために書きました。

人の行動の裏には、本人すら気づいていない「本当の動機」が隠されていることがある。
その動機と向き合った時、初めて「本物の気持ち」が生まれる。

この記事では、ある女の子に起きた出来事を、一つの物語としてお話しします。

この記事の結末を読んだ時、あなたはきっと、
「気持ちを込める」ことの奥深さに気づかされるはずです。

大雅くん

ねぇ、心愛ちゃん。

さっきからずっと難しい顔して、何してるの？

心愛ちゃん

……別に。

大雅くんには関係ないでしょ。

大雅くん

ふーん。でも、全然楽しそうに見えないよ。

それ、誰かにあげるものなんでしょ？

心愛ちゃん

……うるさいなあ。

空回りする善意。「良い先輩」の仮面

それは、後輩のひかりに渡す、大会の必勝祈願のお守り。
私は、そう信じて疑いませんでした。

誰よりも彼女の勝利を願っているはず。
なのに、作れば作るほど、冷たい焦燥感が胸に広がっていく。

先日、親友に言われた言葉が、頭から離れませんでした。

「心愛って、いつも一生懸命だけど、それって本当に相手のためなのかな？
どこか、気持ちがこもってない感じがする」

図星でした。

でも、なぜ気持ちがこもらないのか、自分でも分からない。
ひかりは大切な後輩だし、勝ってほしいと心から願っているはずなのに。

“ひかりのため” その純粋なはずの想いが、なぜか指先からこぼれ落ちていく。

その理由が分からないまま、私はただ時間だけを浪費していました。

心愛ちゃん

ねぇ、大雅くん。

…私、どうしたらいいんだろう。

大雅くん

何が？

心愛ちゃん

ううん、なんでもない…。

ただ、自分がすごく薄っぺらい人間に思えて…。

大雅くん

……？

そんなことないと思うけどなー。

でもさ、一つ聞いていい？

深まる謎。応援に隠された「焦り」

大雅くん

なんで心愛ちゃんは、そんなに必死なの？

ひかり先輩が勝つことって、
心愛ちゃんにとって、そんなに大事なこと？

大雅の純粋な問いに、私は言葉を失いました。

心愛ちゃん

大事に決ってるじゃない。

後輩の勝利を願うのは、先輩として当然でしょ。

そう答えながら、自分でも嘘をついているのが分かりました。

私のこの焦りは、単なる「応援」から来るものではない。
ひかりの勝利には、私自身の何か、もっと重大なものがかかっている。

本当は、その理由に気づいているのに。

私は、自分の心に浮かび上がる醜い本心から、無意識に目をそらしていたのです。

このお守りは、ひかりの勝利を願うものじゃない。
私が、何かを手に入れるためのものだ。

その確信に蓋をするように、私は必死で「良い先輩」を演じ続けていました。

心愛ちゃん

私、怖いんだと思う。

ひかりが負けたら、私が何かを失う気がして…。

大雅くん

失うもの…？

心愛ちゃん

分からない…。

ううん、分かりたくないのかも。
私が本当に願っていることを。

分からない…。ううん、分かりたくないのかも。私が本当に願っていることを。

大雅くん

そっか。

…僕、心愛ちゃんのこと、信じてるよ。

お守りは「取引」の道具だった

大雅の言葉に背中を押され、
私は記憶の霧をかき分けるように、必死で考え続けました。

ひかりの勝利が、私に何をもたらすのか。

その答えの欠片は、思いもよらない形で、私の耳に飛び込んできていました。

部室の近くを通りかかった時、中から聞こえてきた、部長と副部長のひそひそ話。

副部長

…で、心愛の推薦の件、本当に大丈夫なんでしょうか？

部長

こればかりは、大会の結果次第としか…。

特に上が注目しているのは、ひかりだ。
指導の成果が問われるからな。

副部長

そんな…。

ひかりの頑張りが、心愛の進路にまで影響するなんて、
本人に伝えていないとはいえ、ひどくないですか。

部長

仕方のないことだ。

だが、心愛なら乗り越えられると信じているよ。

壁に手をつき、その場に崩れ落ちそうになるのを、必死でこらえました。
断片的な会話。でも、私にはそれで十分すぎました。

気づかないふりをしていただけだったんだ。

私がひかりの勝利にこだわっていたのは、彼女のためなんかじゃなかった。

すべては、自分の推薦のため。
ひかりの努力を、自分の未来のための「取引の道具」にしていたのです。

お守りは、応援の証なんかじゃない。

ひかりを勝たせて、
私の望みを叶えさせるための、呪いにも似た願掛けだった。

だから、気持ちがこもるはずがなかった。

そこにあったのは、後輩を想う清らかな心ではなく、
自分の欲望という、醜い本心だったのだから。

心愛ちゃん

どうしよう…！

私、ひかりに合わせる顔がないよ…！

本当の気持ち。たった一つの、誠実な祈り

涙が止まりませんでした。

自分の浅ましさに、吐気さえ覚えました。

自分の弱さと向き合う最初の一歩って、すごく怖いですよね。
でも、その怖さの裏には、
もしかしたらあなただけの「優しさ」が隠れているのかもしれません。

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でも、ここで逃げたら、
私は一生、本当の意味で誰かに気持ちを込めることなんてできない。

私は、作りかけのお守りをひかりに渡す前に、まず部長の元へ向かいました。

そして、推薦を辞退する、と伝えたのです。

自分のためじゃなく、ただひかりを応援したい。
心からそう思えた時、すっと心が軽くなるのを感じました。

その足で、私はひかりの元へ走ります。

心愛ちゃん

ごめんなさい。

最近の私、すごく必死で、
あなたにプレッシャーをかけてたと思う。

それは、私の勝手な都合のせいでした

そう言って、新しく作り直したお守りを差し出しました。

心愛ちゃん

このお守りは、もう私のわがままのためじゃない。

ただ、ひかりに、心から試合を楽しんでほしい。
その気持ちだけで作ったんだ。

ひかりは少し驚いた顔をした後、ふわりと微笑んで言いました。

ひかり

…なんとなく、わかってました。

先輩が何か、すごく焦ってること。
でも、嬉しかったです。

理由は何であれ、
先輩が私のために一生懸命になってくれたこと、
すごく伝わってましたから。

…だから、このお守り、もらってもいいですか？

その言葉に、私はようやく、本当の意味で彼女と向き合えた気がしました。

後日、部長に呼び出され、こう告げられました。

部長

推薦の件だけど…

君が自分の弱さと向き合って、
本当に大切なものを見つけられたこと。

それが一番の推薦理由になった。

おめでとう

気持ちを込めるというのは、自分の醜さや弱さから逃げないこと。

そして、見返りを求めず、ただ相手を想うこと。

その誠実な心が、巡り巡って未来を拓くのだと、私は涙の中で知ったのです。

よくある質問（FAQ）

まとめ

この記事では、一人の女の子の物語を通して、
「気持ちを込める」ことの本当の意味を探ってきました。

• 気持ちがこもらない原因は、
  無意識に目をそらしている「本当の動機」にあるかもしれない。
• 心愛は自分の推薦の為に、後輩を利用しようとしている心と向き合った。
• 自分の弱さを認め、見返りを求めずに行動した時、
  初めて本当の気持ちが相手に届いた。
• 誠実な心は、巡り巡って自分自身の未来も明るく照らしてくれる。

もしあなたが今、自分の行動が空回りしていると感じているなら、
それは自分の本当の心と向き合うチャンスなのかもしれません。

この記事が、その一歩を踏み出すきっかけになれば、
これほど嬉しいことはありません。

心愛ちゃん

私、やっと分かったよ。

本当に大切なことって、
自分の心から逃げないで向き合う勇気のことだったんだね。

大雅くん

うん。心愛ちゃん、すごくいい顔してる。

僕も嬉しいよ。

さいごに。 この記事で伝えたかった想いを、一つの歌にのせて贈ります。

あなたの心に、優しいメロディが届きますように。

「想い」とは、自分の弱さと向き合う覚悟。
その勇気が、あなたの心を優しくせんたくしてくれます。

想いはこころのせんたく

ありがとうございました。

秋色（あきいろ）

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日々の生活の中に隠れている「感謝」を見つけ出し、言葉にして共有すること。 それを通じて、自身や読者の心が健やかになるような、温かいコミュニケーションの場をブログで育んでいくことを目指しています。